ランチはやっているのかな~?と思って向かった午後4時(ランチの時間帯が長いのも高円寺らしさですよね)、いつも見かけていた、あの猫(?)の看板も見当たらず、あれ?
2階へと向かうとご覧のとおり猫(?)はいましたが、突き当たりにあるお店は開いていませんでした。仕方がないのですぐそばのわき道から大一市場の前を通って、倉持惣菜店で弁当を買って帰り、はーデリシャス・シエスタでグーグーグー、楽しいな楽しいなzzz…
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・・・おっと!あっという間に2時間が過ぎている!
急いで仕事を終えると、再びさっきの現場へ。夜はやっているよな?と気になって戻ってみれば、ありました!いつもの場所にあの猫(?)の看板が。
高円寺の深夜族(高円寺では何時が深夜?という問題もありますが一応ここでは25、6時くらいとしますね)にはすっかりおなじみ、マクドナルド横の高架下でいつも、みんなで歌えるうたをちょいと軽やかなブルージーさ加減で繰り広げているグループのみなさんが集まっているのがここ、トラゲットさんなのです。
ご存知の方も多い、このグループです。
店内で演奏しているお店が多いようで意外と少ない高円寺で、トラゲットさんは週に1回はライブが繰り広げられている貴重な場所でもあります。
さて日中と違って、開いていることが確信に変わった今、自分の足がレコード針かピックか鍵盤への指先かに変わったように、階段を奏でるように上りはじめます。とそのとき、気がつきました。階段はレコードや弦楽器や鍵盤ではなくて・・・むしろドラムなんじゃないか?!って。そういえば、路上でも店内でも、こうしたふだんの演奏の場面でドラムは見かけることが少ないものですが、そうか、街中にドラムはふだんから鳴り響いていたのかー!って納得していました。
ここで、ファンにとっては有名な話なのでご存知の方も多いかもしれませんが、もう伝説化もしている日本のバンド、そして高円寺にもゆかりが深いバンド(メンバーの中でも特に中村達也さんは、昨年ショウオフさんの表紙を飾ったりしていますよね)ブランキー・ジェット・シティーはその楽曲の中で心臓を「赤いタンバリン」と表現したといわれています。それと同じように、階段を上ることはドラムを叩くこと=鼓動なんだと思いました。
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2、3分たったでしょうか、気づけば2階、お店へと続く通路を進んでいました。
もう間もなくお店というところで、開店前の、いっけん静かだが入念な心の準備が行われていることからくる緊張感が店内から流れているのに気がつきました。
そういえばトラゲットというのはイタリア語で「渡り舟」という意味だそうですが、その緊張感はもう目と鼻の先が店内というところで、まさに渡り舟をこぐあの猫(?)の姿にかたちを変えこう言ったのです。
「今日やらないといけないのに、やり残したままのことがあるでしょう?今日は舟には乗せませんよ。重いからね!」
「・・・分かりました。出直します。」
まるで他人のような素直さが自分の中からわきおこり、猫(?)にそう返事をするやいなや、やり残した仕事に着手すべく編集部に向かって階段を、いや、ドラムを再び鳴らしはじめたのでした。
カフェ エトセトラ トラゲット(Cafe etc. traghetto)
高円寺北3-22-7 プラザ高円寺2F
03-5356-
トラゲットさんのホームページ
東京都杉並区高円寺北3丁目22−7