本記事は「HAPPY!高円寺」連載中(2012年7月号、vol.33より)の人気記事『心理相談室サウダージの人生らくらくカウンセリング』をバックナンバーを含め公開(毎月10日頃更新)したものです。
心理相談室サウダージは、高円寺庚申通りで「家族問題(虐待、AC、DVなど)、お子様の問題(不登校、ひきこもり、発達障害、成績不振など)、アルコー ル・ギャンブルほかの依存症、摂食障害、職場・友人・恋愛などの人間関係の悩み、トラウマ、自傷行為、生きづらさなどの悩み」といった幅広いご相談を受けています。
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人生らくらくカウンセリング
連載〈8〉悩み相談:「子供の成績が上がらない」③
「子供の成績が上がらないからといって努力を評価してあげなかったり、期待をかけ過ぎたりすると、精神的な問題が起きることが多い。でも、勉強をさせる必要もあると言われました。どう指導をすればいいですか?」
「すべての子供にできるだけ高偏差値の学歴を目標にさせるというのは、私はもはや今の社会に合わない勉強方法だと思います。少子化で四大卒の資格は取りやすくなりましたが、正社員になれるのは70%ぐらい。1/3は不安定な非正規雇用で働かざるをえなくなっています。社会に出てから役にも立たず興味もわかない勉強であっても、頑張って取り組めば学歴が得られ安定した人生が待っている時代ではなくなっているのです。それよりも、自分の頭で物を考え判断できる力と、その思考力の基礎となる知識を身につける学習をすべきです。
さて、脳科学者の澤口俊之さんによると、子供の脳が最も発達するのは、勉強や脳トレなどを他人からさせられている時ではなく、自由時間を与えられている時なのだそうです。中学卒程度の読み書き、計算、英語の基礎などの学習はある程度強制的にさせなければならないかもしれませんが、あとはむしろ周囲が、子供を選択肢がいろいろある環境に置いてあげて、興味のあることを子供自身が発見しすすんでその勉強に取り組めるようにしてあげる方がいいでしょう。」
「でも、自由時間を与えたら、テレビを観るかゲームをするかで終わってしまいそうで心配です。子供が将来につながるようなことにすすんで取り組んでくれるようにするには、具体的にどういう環境を作ればいいのでしょう?」
「テレビ、ゲームなど受身のメディアは時間の制限をしましょう。マンガも含めていろいろなジャンルの本を用意しておいたり、図画工作の道具を置いておくことや、旅行や自然観察、いろいろな見学に連れていくのもいいですね。」