本記事は「HAPPY!高円寺」連載中(2012年7月号、vol.33より)の人気記事『心理相談室サウダージの人生らくらくカウンセリング』をバックナンバーを含め公開(毎月10日頃更新)したものです。
心理相談室サウダージは、高円寺庚申通りで「家族問題(虐待、AC、DVなど)、お子様の問題(不登校、ひきこもり、発達障害、成績不振など)、アルコー ル・ギャンブルほかの依存症、摂食障害、職場・友人・恋愛などの人間関係の悩み、トラウマ、自傷行為、生きづらさなどの悩み」といった幅広いご相談を受けています。
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人生らくらくカウンセリング
連載〈7〉悩み相談:「子供の成績が上がらない」②
「前回、子供の成績が上がらないからといって、指導を厳しくするばかりでは効果が出ないどころか、いろいろ問題が起きてくるとうかがいました。起きる可能性のある問題について教えてください。」
「まず、努力しているのに成績が上がらない場合、発達障害、なかでも学習障害が疑われます。生まれつき読み書きや算数が不得意な脳の特徴を持つ子供がいるのです。こういう子に無理やり苦手な科目を勉強させてもできるようにはなりません。ただ、苦手なのは一部の能力だけですし、専門医の診断を受ければ必要な支援も受けられます。将来を悲観することはないですよ。
問題なのは、親が期待をかけ過ぎたり、成果をほめてあげず厳しい指導ばかりしているケースです。子供は親に見捨てられたくないという気持ちからがんばりますが、上を見ればきりがありません。こういう子は、もう精一杯がんばったのだから成績は今ぐらいでいいやとは思えず、期待に応えられなかった自分には価値がないと感じ、親に見捨てられることにおびえています。完璧な自分でないと社会に出ていけないとひきこもりになったり、成績だけでなく容姿も完璧にしようとして、摂食障害になったりします。そして、自分には生きている価値がないと感じては、リストカットをしたり自殺を試みたりするのです。」
「そんな問題が起きたら大変です!成績がいっぺんに上がらないからといってきつく叱ったり、あまり期待をかけ過ぎてはいけないですね。でも、まったく勉強ができなくなって進学もできないというのも困りますけれど…。」
「私は子供が勉強しなくていい、できなくていいと言っているわけではありません。子供は心身の健康をきちんと保ったうえで、将来につながる勉強をしっかりするべきです。どういう勉強をすればよいかは次号でお話しますね。」