~あちらこちらのお店が寄席に早変わり~、そんな演芸まつりがまっただ中の高円寺ですね!風は冷たいですが、さいわい天気にはめぐまれ、心の中にはひとあし先に梅の花が咲きほこりそうです。
ハッピー高円寺誌面でもおなじみ、大道芸の二重丸◎さんも出演という信濃寄席がいよいよ明日に迫っている中、あちこちからいただいたチョコレートを食べ過ぎた私は幸せ者なんでしょうが、
「信濃寄席の信濃って、おそば屋さんですよね。そもそも、なんでおそば屋さんが寄席を始めたのか?至急調べてきますね。残りのチョコはご自由に召し上がって下さいな。」
と他のスタッフたちに告げるとさっさとエトアール通りへ。あっさりとしたおそばが食べたくなっていたのです。
いつもなんだか実家の商店街を歩いているような、どこか懐かしい気持ちにさせるエトアール通り。西友をこえ、ほどなく進むと左手にあるのがこちら、信濃さん。入ってまず感じたのは、堂々としたたたずまいと、それでいて落ち着けるやわらかいふんいきでした。
とにかく、ひっろーーーい!
玄関をはいってすぐに、こうしてハッピー高円寺も置いて下さっていました。
さっそく、自家製という手打ちそばを注文します。
・・・!なんですか?この味わい!ずるずると引き込まれるうっ!
ことば通り、エトアール通り、ずるずると夢中でそばを口に引き入れる私に、ご主人が笑みを投げかけてくれます。
「・・・ズルズル、さんざん質問にあったと思うんですけど、・・・ズルズル、お店で寄席を始められるようになった・・・ズルズルズー、きっかけを教えて下さい。」
「まあ、うちはそば屋だからねえ、もともとお酒には力を入れていなくて、そんなにお酒を置いていなかったんだよ。
でもまあ、” ちょっとそば屋でいっぱい♪” ってのも昔は今よりあってさ。うちが1軒目でそこから次の店へってのもその逆で、うちでしめるってのもあったんだよ。
そこでね、お酒をちょっと置くようになりましたよって宣伝をかねて、寄席をやってみようかってなったんだ。ところがね・・・」
ところが、それが予想以上の反響!10年ほど前に店内で始まった寄席は、数年後には店内では収まらないほどになったそうです。そうか、会場は長仙寺でしたものね。
そんな以前に店内でやっていたというのも、なんとも粋(イキ)だな!と思いましたが、
「今年の11月に第50回」
という息の長さに驚きました。
「いやね、そんなにやってこれたのもみんなの協力のおかげなんだよ。
チラシを作ってくれる人、それを配って宣伝してくれる人、出演者、お客さん、地域のみなさん、あらゆる人のおかげなんですよ。」
ハッピー高円寺はまだ4年目を迎えようとしているばかりですが、ハッピー高円寺も、周囲のみなさんに支えられているのは信濃さんとまったく一緒だなと、ご主人の言葉を伺っていました。
そのご主人も先にご紹介した玄関での告知や、このようなお手製のチラシでみんなを支えて下さっているんですね!
そうこうしているまに夕方、ふと壁を見上げると、そこには・・・?
そして、気がつけば、目の前にはこのようなセットが!
そば焼酎のそば湯割りとおつまみセットを注文していたのでした(笑)。
ほかにいらっしゃった二人連れのお客さんからも
「こないだの落語は良かったよねぇ。・・・あー、ここは冷たいそばがいいんだよね!それに、そば焼酎しな野をね。」
と、注文が続いていました。
じつに新鮮です!
夜9時には閉店と(それもそのはず、翌朝には自家製の手打ちのご準備がありますものね)、お酒を楽しむ場所としては、ちょっと早い時間に行って帰る必要がありますが、それだけに、いつもと違った味わいや、自分を発見出来るかもしれないと思った編集部でした。
信濃
高円寺南3-44-15
03-3314-0248
東京都杉並区高円寺南3丁目44−15