「読書と手紙にまつわるお店」Amleteron(アムレテロン)さんがあづま通りにオープン!


梅雨ですから傘はいつも用意しているとはいえ、開店からもう1週間、(行かなくちゃ、君に~、じゃなかった,本に会いに行かなくちゃ!)って思っていたらタイミングよく雨が上がり、傘があろうが無かろうが問題はまだ取材出来ていないことだと「読書と手紙にまつわるお店」Amleteron(アムレテロン)さんに伺ってきました。あづま通りのハティフナットさんのとなりにあるお店は、かつてはジャンゴさんというコーヒー専門店があった場所で長屋造りとなっており、隣のお店からの足音や振動が温もりとなって伝わってくる素敵な空間でした。

アムレテロンさんの外観

 

そんな空間を音の響きでみごとに表したようなお店の名前も、皆さん同様、気になります。

Amleteron(アムレテロン)というのは、エスペラント語(=世界中すべての人の第2言語として、国際補助語を目指して人工的に作られた言語)で「ラブレター」という意味だそうですが、この名前となるにあたっての素敵なエピソードを伺うことができました!それは、このエスペラント語が目指す「世界中すべての人の国際補助語に」という想いにも負けないロマンティックなものでした。店主のアマヤさんによると「もともとお店の名前は五感で決めたい」というのがあって、ご自身と同じ「アで始まるといいな」と思っていたとき、ちょうど詩人谷川俊太郎氏の” 人はアではじまって、ンで終わる” という言葉と出会って、「ああこれはぴったりだ!」で決定という胸キュンなお話だったんです!

こうした偶然を楽しむというか、出会いを大切になされるお店の中もこのとおり!そうした姿勢を写したかのような本、書籍用品、手紙用品たちが並びます。まずは古書たち。

アムレテロンさんの古書たち

 

あ、読書と手紙にまつわるお店、なので、これはあくまで販売されている古書たちなんです!読書少年青年時代を長く過ごした編集部もうっとりのながめでした(笑)。(ああ、あの本、この本・・・!)と知人はおろか恋人と再会したときのような後ろめたさ、もとい、ドキドキする気持ちがよみがえりました。

「ふらっと入ってこられて、引越しで手放した本を見つけたそうでまとめ買いされた方もいらっしゃいました。」
というのもなっとく!

いっぽう、どんなにまとめ買いしても、どんなにたとえばこんなすてきなブックマークを使いながらでも、当然ながら読むのには時間がかかっています。

アムレテロンさんのブックマークたち

 

数日、数ヶ月、数年かかっている、それだけにそれぞれの背表紙がカレンダーのようにもみえてぼーっとしかけましたが、こんなときこそ自分に「だいじょうぶ?」と手紙を書くことができます! そう気がつきました。そのための紙だって、ほらこのとおり!

古書リプロダクトメッセージカード古書リプロダクトメッセージカードの記載面

 

これは古書をいったん解体して箔(ハク)押し加工をほどこしたという、その名も「古書リプロダクトメッセージカード」。ときには挿絵のあるページもあったりと、同じものが一つとしてないのは古書と同じですね。

続いて、もう一方の壁一面を見るとこのとおり、たくさんのレターセットが並んでいます!鳥の羽を広げて中を読むそうです。かっわいいーーー!

アムレテロンさんのレターセットたちアムレテロンさんのレターセットたち(バーズカード)

 

ふと気になって
「すてきなレターセットって、使ってこそだと思うんですが、使わずに飾りがちですよね?目の前にポストでもあれば違うんですかね?」
なんて質問したところ、

「自転車で通りがかった方が” レターセットが見えたから” と戻ってきてくれて、手紙を出されるんですか?って聞いたら” はい” って。」
とまたまたこちらがうれしくなるような素敵なエピソードを伺うことができました。

そして、何よりなっとくのお言葉も。

 「言ってみれば、本も、譜面も(相手に伝えようという工夫と思いに満ちた)手紙ですよね。」

相手がいてくれるから手紙となるんだと、きょうは開店に感謝しながらお店を後にした、いい意味で高円寺の籠の鳥になりたい私でした。

追記:

「百聞は一見に如かず」とは、これまたうまいこと言ったものです(ちなみに、百聞ではないですが、お店には内田百間氏の古書もあります)。この言葉の通り、実際にお店で出会ってほしいのですが、これまた通りがかったアメリカの学者の方が「お!」と気になって、お店を出る頃にはすっかりファンになったというアウトサイダー・アートの代表的な作家の作品が飾られていたりと、気軽にふらっと入って、素敵な出会いが待っている空間です。

 

Amleteron(アムレテロン)
高円寺北2-18-10
03-5356-6639
http://amleteron.blogspot.jp/

東京都杉並区高円寺北2丁目18−10


著者について

HAPPY!高円寺の編集スタッフです。このホームページのメンテナンスなども行っています。なお、掲載されているお店情報に誤りや変更点があれば、問い合わせフォームでお知らせください。新しいお店情報などをいただくと、なお嬉しいです。よろしくお願いいたします。